中国におけるHSコードバージョントラブル
日本が中国や韓国と初めて結んだRCEP協定が2022年1月から開始され、原産地証明書の発給件数もかなりの勢いで増えています。
RCEP協定では、ほとんどの産品が10年〜20年掛けて段階的に関税が削減・撤廃される為、今後さらに利用者が増えるものと予想されますが、そのような中、トラブルも発生しているようです。
経済産業省では、中国において、RCEP協定で適用されるHSコードの年版の違いによるトラブルが発生していると注意喚起しています。
↓参考記事
各EPAのHSコードのバージョン
RCEP協定の場合は2012年版のHSコードを使用することになっています。
しかし、中国の通関システムが2022年版のHSコード(HS2022)で運用されているため、中国への輸入通関時、2012版のHSコードが記載された原産地証明書を用いて輸入通関しようとすると、HS2022上の産品分類番号と一致しないケースでは、中国の通関システム上では手続できないという事案が発生しているようです。
中国での通関申告で使用されているHSコード(HS2022)と原産地証明書上におけるHSコード(HS2012)が異なる場合、輸入者は中国の輸入通関システム上では入力できず、紙ベースでマニュアル通関を行う必要がある場合がある為、事前に税関に相談する必要があるようです。
今後、中国側の通関システムの改善が行われると思われますが、しばらくは注意が必要です!
※追記:RCEP協定は2023年1月1日から、HS2022に変更されます。ご注意ください!
また、中国で発給した原産地証明書も、2022年版のHSコードが記載されている場合があるようです。
HSのバージョンが異なることについては、原産地規則を満たすことに疑義な無ければ、軽微な相違として日本税関に有効な原産地証明書として認められる可能性が高いので、そのようなケースがある場合は日本税関に事前に相談することをお勧めします。
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