RCEP協定「輸入者自己証明制度」利用時における原産地事前教示制度(税関)の利用の勧め

RCEP協定を利用する最大のメリットとしては、何と言っても関税が削減・撤廃されることです!

 

特に日本と取引額が大きい「中国」がRCEP協定に入っているので、RCEPのメリットは今後益々、大きくなっていくと思われます。

 

<RCEP協定締結国>

日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム

 

RCEP協定「輸入者自己証明制度」利用時における原産地事前教示制度(税関)の利用の勧めRCEP協定で定められた原産地証明書を利用して輸出入を行えば、関税(税金)が削減・撤廃することができる為、この関税削減への対応が遅ければ遅いほど、他社よりもコストアップにつながる為、近い将来、御社の重大な経営アジェンダとなる可能性があります!

 

RCEP協定締結国から産品を輸入している企業は、購入コスト削減に直結する経営戦略の1つと考え、早期に利用することをご検討することをお勧め致します。

せっかく用意された優遇制度です。何もしなければライバルたちに大きな差をつけられてしまいます。

 

RCEP協定は、節税効果を生み出す、重要な経営戦略の1つと考える!

 

それでは下記目次に沿って説明していきます。
最後までお付き合いください!

 

 

RCEP協定における「輸出」と「輸入」それぞれにおけるメリットについて

RCEP協定では、協定で定められた原産地規則を満たすことを証明する原産地証明書があれば、関税が削減・撤廃されます。
輸出面および輸入面のメリットを見ていきましょう!

 

@日本からの相手国への輸出でのメリット

これまで相手国で日本から輸出された産品に掛かっていた関税が、削減・撤廃されます。 

他社の産品よりも価格競争力が向上し、輸出が増大する可能性があります!

 

A相手国から日本への輸入でのメリット

これまで日本で相手国から輸入された産品に掛かっていた関税が、削減・撤廃されます。

輸入時に支払っていた関税が削減される為、産品の購入コスト低減に直結します。

 

様々なコスト削減策があるかと思いますが、RCEPを利用する効果は高いですよね!

 

日本輸入時における関税削減・撤廃の方法

RCEP協定を利用して、日本の輸入通関時に関税を削減・撤廃するには、RCEP協定で定められた原産地証明書が必要になります。

 

輸入申告時に、税関に原産地証明書を提出し、免税手続きを行います。

 

通常は通関業者を利用して輸入申告を行っていると思いますので、通関業者に原産地証明書を送付し、免税手続きを行ってもらいます。

 

RCEP協定の場合、この原産地証明書を利用して輸入通関時に減免する方法として、大きく2パターンあります。

 

1つ目は、締結相手国で発行した原産地証明書を利用する方法

産品の輸出者である取引先が、自国の原産地証明書発給機関に発給申請を行い、発給された原産地証明書を御社に送付する方法です。
この方法が通常利用される方法だと思われます。

 

2つ目は、輸入者である御社が原産品申告書を作成する「輸入者自己証明制度」を利用する方法

通常は、取引先から原産地証明書を入手しますが、取引先が原産地証明書について知識がない場合等、何らかの理由で原産地証明書を取引先から入手できない場合があるかと思います。

 

そのような時は、「輸入者自己証明制度」を利用し、輸入者である御社自らが原産品申告書等を作成し、減免を受けることができます。

 

RCEP協定における輸入者自己申告制度とは

RCEP協定の場合、取引先から原産地証明書を入手できない場合でも、貨物の輸入者が、自らが有する情報に基づき、原産地規則を満たすことを証明する「原産品申告書」を作成し、RCEP税率の適用を受けることができます。

 

この制度の事を、「輸入者自己証明制度」と言います。

 

輸入者自己申告制度を利用して日本で輸入申告を行う場合は、原則として、原産品申告書に加え、当該貨物が「原産品であることを明らかにする書類」(原産品申告明細書等)の提出が求められます。

 

輸入者は、産品の原産品情報を取引先から入手し、産品がRCEP協定で定められた原産品であることを証明する十分な情報を有している場合に限り、原産品申告書を作成することができますので、ご注意ください。

輸入者自己証明制度で必要な書類

@原産品申告書+A原産品であることを明らかにする書類(原産品申告明細書等及び関係書類)

 

税関HP 自己申告制度について

 

ただし輸入申告時に、この原産品申告書等を税関に提出しても、内容に不備や疑義が生じた場合は、書類の訂正や差し替え等に時間が掛かる場合や、最悪、原産品として認定されない場合もあります!

 

輸入申告申告のタイミングで、税関に事前相談なしに原産品申告書等の書類を出すと、当該産品が原産品と認定されないリスクがあるのです。

 

このようなリスクを避けるため、書類内容に不備はないか、当該産品がRCEP協定における原産品と認められるか等、事前に税関に確認してもらう方法があります!

 

この制度を「事前教示制度」と言います。

 

予め、輸入する産品が原産地規則を満たす原産品であるかできるかどうか、税関に確認できれば、スムーズな通関および減免措置が可能になる為、安心してRCEPを利用することができます!

 

RCEPでの輸入自己申告制度を利用される方は、事前に税関の事前教示制度を利用されることをお勧め致します!

 

税関 原産地の事前教示制度について

RCEP協定「輸入者自己証明制度」利用時における原産地事前教示制度(税関)の利用の勧め原産地の事前教示制度とは、輸入申告前に輸入する予定の貨物の原産地についての照会を、原則として文書により行い、文書により回答を受けることができる制度です。
(口頭やメールでの照会もできますが、参考程度の扱いで、その回答に効力はありませんので、文書での事前教示をお勧め致します。)

 

文書での事前教示を利用し、税関より原産品である旨の回答を得た場合には、輸入申告時に当該回答書の番号を輸入申告書に記載することにより、原産品であることを明らかにする書類の提出を省略することができます。(ただし原産品申告書の提出は必要になります。)

 

また、当該回答書の内容は、3年間、法令等の改正により取扱いが変わった場合等を除き、輸入申告時の審査の際に尊重されます。

 

注意点としては、文書による事前教示を取得した場合であっても、原則として、原産品申告書の提出は必要となります。

 

ただし、事前教示を取得した輸入貨物は、税関による原産品の認定が終了していますので、原産品であることを明らかにする書類(原産品申告明細書及び関係書類)の提出は省略することができます。

 

予め税関より原産地の認定を受けるので、輸入申告時の原産地の否認リスクや、証明書類の追加等が無くなりますので、スムーズな輸入通関が可能になります。

 

輸入自己証明制度を利用してRCEP税率を適用をお考えの場合は、税関の事前教示制度を利用することを強くお勧め致します!

 

ご検討ください。

 

 

RCEP関連記事

RCEP特定原産地証明書を取得する為の申請方法の徹底解説!
RCEP締結国(15か国)とはどこの国?
RCEPで何が変わる?
RCEPで関税を削減する方法
RCEPにおける譲許表の見方
RCEPにおける原産地証明書の種類(3種類)
RCEPにおける品目別原産地規則の調べ方 徹底解説!
RCEPにおける税率差ルールとは何?
RCEPおける僅少の非原産材料について(デミニマスルール)
RCEPでの梱包材料や包装材料の取り扱いについて
RCEPにおける原産品判定基準で使用される記号
原産性が与えられない軽微な工程及び加工とは何?
RCEPにおける酒類の特定原産地証明書について
RCEPにおける不備ある原産地証明書の扱いについて
RCEPにおける事後確認(検証)について
RCEP協定における関税分類変更基準(CTC)の根拠資料の作り方
RCEP 中国から香港を経由して日本に輸入する場合の積送基準について
RCEP 産品と共に提示される附属品、予備部品、工具、解説資料等の取り扱いについて
RCEP協定で使用する特定原産地証明書の「亡失」及び「記載事項に変更」が生じた場合の対応方法
RCEPにおける累積(締結間ロールアップ)について
特定原産地証明書の電子発給開始 タイとRCEP
RCEP協定における自己申告制 徹底解説! 〜輸出編〜

 

原産地証明書で弊所が選ばれる理由!
特定原産地証明書申請代行サービス

無料相談実施中!お気軽にお問合せ下さい!

 HERO行政書士事務所

全国対応

お問合せ 9:00〜18:00

特定原産地証明書申請を専門とする行政書士事務所です。

まずはお気軽にお問合せ下さい。


RCEP協定「輸入者自己証明制度」利用時における原産地事前教示制度(税関)の利用の勧め

 

トップへ戻る