RCEPにおける譲許表の見方
RCEPでは品目全体で約91%の関税が削減されます!
何より日本にとっては、貿易額が一番多い、中国と初めての経済連携協定ですので、大きなインパクトがありますよね!
そして皆様が一番気になるのは、いったいどのくらい関税が削減されるのか?ということではないでしょうか!
今回は、中国向けの輸出を例に挙げて、関税率がどのくらい減るか?また、中国側の譲許表(関税率表)の見方を解説していきます!
RCEPの譲許表は税関のホームページに掲載されていますので、ここで相手国の関税がどのくらい減るのか見ることができます。
税関ホームページのリンクを張っておきます。
品目によって、関税を即時に撤廃するものや、段階的に関税を引き下げていくものがあります。また、関税を現在のまま引き下げない除外品目もあります。
まずは、輸出する品目が、RCEPの恩恵を得ることができるのか、しっかりと確認しましょう!
それでは実際に中国の譲許表を見ていきましょう!
RCEPにおける譲許表(関税率表)の見方
下記は中国の譲許表です。
譲許表に記載の「Base Rate」は、文字通り基本となる関税率です。
この税率から、どのくらい関税を下げていくかが譲許表には記載されています。
Year1、Year2、Year3・・・・・・・とありますが、これは1年目の関税率、2年目の関税率、3年目の関税率を表示しています。
例えば、HSコード「2202.90.00」はBASE RATEが35%で、Year1以降に「U」の表示がありますが、これは除外品目と言って、35%のまま関税が下がらない品目です。
もう1つ例に挙げると、「2204.10.00」はBASE RATEが14.0%で、そこから数年かけて段階的に関税が引き下げられ、最終的には関税が撤廃されます。
また注意点としては、RCEPのHSコードの基準は2012年のHSコードを使用します。
従って、最新のHSコードでは、RCEPの譲許表には掲載されていない場合がありますので、2012年版のHSコードにてお調べ下さい。
追記:RCEP協定は2023年1月1日より、HS2022に変更されます。ご注意下さい!
※2022年12月31日まではHS2012を採用→2023年1月1日からはHS2022が採用されます!
「BASE RATE」は2014年1月時点でのMFN税率を使用しているので、最新の関税率とは異なる場合があるので注意してください。
MFN税率とはWTO税率とも言われ、WTOで定める原則に基づき、各国が定める税率です。(一般的な関税率と思って下さい)
例えば譲許表では、「BASE RATE」が30%だが、現在の最新のMFN税率は5%だったという場合も考えられます。
2014年から時間が経過していますので、その国でMFN税率を引き下げたことが考えられます。
現在は「MFN税率」の方が、「RCEP税率」よりも税率が低いという逆転現象が起きている品目もありますので気を付けてください!
1年目とはいつからいつまで?
譲許表を見ると1年目、2年目・・・とは、いつからいつまでなのか?疑問を持たれるかと思います。(たとえば、1/1〜12/31 又は 4/1〜3/31など)
年度の考えは国によって異なります。
1年目については、協定の発効日からその後の最初の3月31日までの期間です。
その後の隔年は4/1〜3/31までの期間となります。
1年目については、協定の発効日からその後の最初の12月31日までの期間です。
その後の隔年は1/1〜12/31までの期間となります。
RCEPは2022年1月1日に発行するので、具体的に中国と日本を例に挙げ、1年目はいつからいつまでなのか、違いを見ていきましょう!
1年目・・・2022年1/1〜2022年12/31
2年目・・・2023年1/1〜2023年12/31
3年目・・・2024年1/1〜2024年12/31
4年目・・・2025年1/1〜2025年12/31
5年目・・・2026年1/1〜2026年12/31
6年目・・・2027年1/1〜2027年12/31
7年目・・・2028年1/1〜2028年12/31
8年目・・・2029年1/1〜2029年12/31
9年目・・・2030年1/1〜2030年12/31
10年目・・・2031年1/1〜2031年12/31
11年目・・・2032年1/1〜2032年12/31
12年目・・・2033年1/1〜2033年12/31
13年目・・・2034年1/1〜2034年12/31
15年目・・・2035年1/1〜2035年12/31
15年目・・・2036年1/1〜2036年12/31
16年目・・・2037年1/1〜2037年12/31
17年目・・・2038年1/1〜2038年12/31
18年目・・・2039年1/1〜2039年12/31
19年目・・・2040年1/1〜2040年12/31
20年目・・・2041年1/1〜2041年12/31
1年目・・・2022年1/1〜2022年3/31
2年目・・・2022年4/1〜2023年3/31
3年目・・・2023年4/1〜2024年3/31
4年目・・・2024年4/1〜2025年3/31
5年目・・・2025年4/1〜2026年3/31
6年目・・・2026年4/1〜2027年3/31
7年目・・・2027年4/1〜2028年3/31
8年目・・・2028年4/1〜2029年3/31
9年目・・・2029年4/1〜2030年3/31
10年目・・・2030年4/1〜2031年3/31
11年目・・・2031年4/1〜2032年3/31
12年目・・・2032年4/1〜2033年3/31
13年目・・・2033年4/1〜2034年3/31
15年目・・・2034年4/1〜2035年3/31
15年目・・・2035年4/1〜2036年3/31
16年目・・・2036年4/1〜2037年3/31
17年目・・・2037年4/1〜2038年3/31
18年目・・・2038年4/1〜2039年3/31
19年目・・・2039年4/1〜2040年3/31
20年目・・・2040年4/1〜2041年3/31
十分に注意してください!
・RCEP特定原産地証明書を取得する為の申請方法の徹底解説!
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・特定原産地証明書の電子発給開始 タイとRCEP