キャッチオール規制とは
キャッチオール規制とは、文字通り全てをキャッチする規制です。
兵器等に転用されることが著しく低い、木材や食料等の一部を除き、全ての貨物・技術が対象になります。
貨物は輸出令別表第一 16項、技術は外為令別表16項で規制されます。
またリスト規制は全ての国・地域が規制対象ですが、キャッチオール規制はホワイト国以外の国・地域が規制対象になります。(ホワイト国は規制対象外)
しかし、ホワイト国が法令的には規制対象外であっても、企業リスクを考えるとしっかりと確認されることをお勧め致します。
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、アメリカ合衆国
よく購入元から該非判定書を取り寄せると、16項は該当ですと記載があることがありますが、これは16項のキャッチオール規制に該当(対象)ですという意味です。
前述したように、木材や食品等を除き、全ての貨物・技術が16項に該当(対象)になりますので、こう書かれていることが多いです。
しかし気を付けて頂きたいのが、直ぐに経済産業大臣の許可が必要かというとそうではありません。
通常、キャッチオール規制は「特例」が使用できます。
特例とは、貨物や技術が該当だが、ある一定の要件を満たしていれば、経済産業大臣の許可を取ることなく、輸出ができるものです。
キャッチオール規制もこの特例の規定があります。特例の条文は下記となります。
■技術・・・貿易関係貿易外取引等に関する省令第9条第2項第七号
では、具体的にキャッチオール規制の特例を詳しく見ていきましょう。
キャッチオール規制は大まかに言って、2つの要件を確認する必要があります。
以下2つの要件に該当していなければ、経済産業省の許可は不要となります。
1つ目は客観要件といい、
取引きしようとしている貨物・技術の用途と需要者を確認し、懸念がなければ特例により、経済産業大臣の許可が不要となります。
輸出または提供しようとしている貨物や技術が何に使われるのか、しっかりと確認をしなければなりません。
現在は、使用する側のレベルも向上しており、民生用途として輸出したが、じつは懸念用途に使用されていたという事例もあります。
また需要者の確認は、大量破壊兵器等の開発等を行う(行った)需要者か、又外国ユーザーリスト等に掲載されている需要者か確認していきます。
@用途要件・・・何に使われるのか?
A需要者要件・・・貨物や技術を使用する需要者は誰か?
2つ目はインフォーム要件と言い、取引きをしようとしている貨物・技術が大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵に用いられるおそれがある又は通常兵器の開発、製造又は使用に用いられるおそれがあると経済産業省が判断した場合に、許可申請をすべき旨、文書にて通知されるものです。
インフォーム要件
経済産業書から、懸念がある取引なので許可を取ってくださいという文書での通知
通常の取引ではインフォーム通知は来ないので、各企業では用途と需要者の確認をしっかりと行うことが重要です。