RCEP特定原産地証明書の訴求発給について
特定原産地証明書を、税関に提出するタイミングは、原則「輸入申告」の時です。
この輸入申告は、実は2つの申告を同時に行っています。
2つの申告を行わなければ輸入許可は下りません!
1つ目は「貨物」の申告です。
どのような貨物を、どのくらい輸入するかを申告します。
2つ目は「お金」の申告の2つの申告です。
課税額を計算し、関税やその他税金の申告を行います。
この時に特定原産地証明書があれば、関税が「免税」又は「減免」されるのです。
しかし、何らかの理由で、輸入通関のタイミングで特定原産地証明書が手元に無い場合もあるかと思います。
せっかく、貨物はRCEPの原産地規則を満たしているのに、何らかの理由で特定原産地証明書が発給されていない場合は、諦めるしかないのでしょうか?
いえいえ、諦めないでください!
RCEP協定では、特定原産地証明書のは過去にさかのぼって発給できる「遡及発給」が定められています。
いつまで遡及発給できるかというと、船済み日から1年以内であれば、遡及発給が認められています。
ただし、特定原産地証明書は遡及発給できたとしても、輸入国でRCEP協定税率に基づく関税額の差額の還付を受けることができるかは、輸入国によりますので、輸入国が還付手続を認めているかどうか事前に確認する必要があります。
日本の場合は、輸入申告時に特定原産地証明書の提出が必要なため、RCEP税率の遡及適用を原則受けることはできません。
ただし、輸入許可前引取制度(BP)を利用することで、RCEP税率を適用することができます。
輸入許可前引取制度(BP)とは、冒頭で説明した「貨物の申告」と、「お金の申告」を分離し、貨物の申告を先に行うことにより、輸入許可前に貨物を引き取れる制度です。
貨物を先に引き取っておき、特定原産地証明書が入手できたら、お金の申告時に提出し、「輸入許可」を受けるという流れです。
ただし、輸入許可前引取制度(BP)は納税の前に、貨物を引き取るので、何らかの担保が必要になってきます。
ぜひご検討ください!