その他の規定 代替性のある産品及び材料についての解説
このページでは各EPAで規定されている「代替性のある産品及び材料」の管理方法について解説していきます。
「代替性のある産品及び材料」とは、商取引において相互に交換することが可能な産品又は材料であって、それらの特性が本質的に同一のものを言います。
例えば、中国から輸入した大豆(非原産品)と、日本で収穫した大豆(原産品)を、1つのサイロで混合して保管している場合、どのように管理方法すればよいのかか、問題になってきます。
当然、中国産の大豆(非原産品)と日本産の大豆(原産品)とが混合されて保管されていますので、どちらの大豆かが分からなくなります・・・。
このように代替性のある産品及び材料を混合して保管した場合は、締約国の一般的に認められている会計原則に基づいた在庫管理方式で管理されている場合に限り、原産品として取り扱うことできるとされています。
会計原則に基づいた在庫管理方式とは、具体的には「@先入れ先出し方式」、「A後入れ先出し方式」、「B平均方式」などです。
具体的な例を見ながら解説していきます!
まずは「先入れ先出し方式」ですが、これは文字通り先に仕入れたものから出していくという管理方法です。
4/1日に中国から6000KGを輸入していますので、この中国産品から先に出していくので、4/20日に1000KGの輸出と、4/25日に2000KGをタイに輸出した大豆はいずれも中国産となります。
逆に「後入れ先出し方式」は、後に仕入れたものから出していくという管理方法なので、後に仕入れた4/5日の2000KG(日本産)から先に出していくということになります。
従い、4/20日に輸出した1000KGは、日本産(4/5仕入れ分)となります。
4/25日に輸出した2000KGは、1000KGは日本産(4/5仕入れ分)で、残りの1000KGは中国産(4/1仕入れ分)ということになります。
なお、日本では「後入れ先出し方式」は使用しておりません。
最後に「平均方式」ですが、4/1日に6000KG(中国産)を仕入れ、4/5日に2000KG(日本産)を仕入れ、合計で8000KG保管しています。
8000KGのうち、6000KGは中国産で、2000KGは日本産となる為、8000KGのうち中国産は3/4、日本産は1/4を占めていることが分かります。
平均方式の場合は、この保管割合を使用します。
4/20日に1000KGを輸出していますが、上記の保管割合から、1000KGのうち3/4の750KGは中国産で、1/4の250KGは日本産になります!