RCEP協定における関税分類変更基準(CTC)の根拠資料の作り方
2022年1月より、RCEP協定が発効されました。
中国や韓国を含む、巨大経済圏が出来上がりました!
特に日本と貿易額が一番多い、中国との自由貿易協定は初めてで、非常に大きなインパクトがありますよね!
RCEP協定で定められた原産地規則を満たせば、輸入国で掛かる関税が段階的に削減され、最終的にはゼロになる品目が品目全体で90%以上あります。
RCEP協定発効により、大きなコスト削減が見込めます!
日本で産品を生産している場合は、このRCEP協定で定められた原産地規則を満たす可能性が高い為、ぜひ検討したいものですよね!
RCEP協定で関税を削減する為には、日本商工会議所が発給する「特定原産地証明書」が必要になってきます。
現地の輸入者より、この特定原産地証明書を求められるケースも多いのではないでしょうか?
日本商工会議所に、発給申請を行うには、御社の産品がRCEP協定の原産地規則を満たしていることを証明しなければなりません。
原産地規則の代表的な基準として、「関税分類変更基準」や「付加価値基準」などがあります。
御社の産品が、これらの原産地規則を満たすことを証明すれば、特定原産地証明書が発給されます。
満たすべき原産地規則は、産品毎に異なります。
原産地規則の確認方法は、こちらをご参照ください。
このページでは、原産地規則の代表的な基準である「関税分類変更基準」の根拠資料の作り方について、徹底解説していきます。
最後まで、お付き合いください!
関税分類変更基準とは何か?
まず、関税分類変更基準(HSコード変更基準)についてご説明いたします。
一言で申しますと、関税分類変更基準とは、産品のHSコードが、産品を構成する部品等のHSコードから変化しているかということです。
これではよくわからないと思いますので、具体的な例でご説明いたします。
例えば大豆(HSコード1201)を中国から日本に輸入し、その大豆を日本で味噌(HSコード2103)に加工したとします。
大豆は中国産ですが、日本で加工し、味噌(HSコード2103)という産品に変化しました。
中国産大豆(HSコード1201)→日本で味噌に加工(HSコード2103)
大豆は中国産だが、日本で加工等を加えられ味噌というHSコードに変化したため、大豆は日本で実質的な変更があったとみなし、大豆は中国産であっても、味噌は日本の原産品であることが認められるというものです。
関税分類変更基準とは、加工などを加えられ、HSコードが変化する国が、原産地となる規定です!
産品によってはHSコード2桁変更、4桁変更、6桁変更というものもあります。
↓こちらの記事を併せてお読みいただくと、さらに理解が深まると思います!
RCEPにおける原産品判定基準で使用される記号
関税分類変更基準の根拠資料
では次に関税分類基準を満たすことを証明する書類を見ていきましょう!
以下の@〜Bは必須になります。
@対比表
A総部品表
B生産工程表
C(必要に応じて)サプライヤー証明書
D(必要に応じて)その他、対比表の内容を裏付ける資料
↓詳しい根拠書類の作り方は、こちらの記事をご参照下さい。
関税分類変更基準(CTC)での必要書類
もし、産品の構成部品が関税分類変更基準を満たさない場合は、購入元のサプライヤーから、現産品であることを証明する「サプライヤー証明書」などを入手し、原産品であることを証明します。
また、関税分類変更基準の救済規定として、デミニマスルールというのがあり、産品に占める割合が、10%以下であれば、原産品として扱ってよいという規定もあります。
RCEPのデミニマスルールは以下のようなっております。
※第50項〜第63類の僅少の非原産材料は、価格と重量のいずれかを選択することが可能です。
↓デミニマスルールを詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
RCEPおける僅少の非原産材料について(デミニマスルール)
ご不明な点がございましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください!
その方が早いと思います!
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・RCEPにおける税率差ルールとは何?
・RCEPおける僅少の非原産材料について(デミニマスルール)
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・RCEPにおける酒類の特定原産地証明書について
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・RCEP協定「輸入者自己証明制度」利用時における原産地事前教示制度(税関)の利用の勧め
・特定原産地証明書の電子発給開始 タイとRCEP