三国間貿易(仲介貿易)では特定原産地証明書は発給できるの?
三国間貿易で特定原産地証明書は発給できるのかを考えていきましょう。
下記の図のように、物流(貨物)と商流(お金)の流れが異なる場合があります。
貨物は日本から直接、ベトナムに行きますが、インボイスはタイを経由してベトナムに請求されます。
そして代金の支払いも、タイを経由して日本に支払われます。
このような取引を三国間貿易、又は仲介貿易とも言われております。(輸出者と販売者が異なる)
輸入国のベトナムでは、貨物は日本から来ますが、輸入通関はタイのインボイスですることになります。
取引としてはベトナムとタイとの取引きに見えますが、この時に日本商工会議所が発行した特定原産地証明書を使用し、日ベトナムEPAに基づく特恵関税を使用できるのでしょうか??
答えとしては、日本の原産資格を有することを証明する特定原産地証明書を使用し日ベトナムEPAを使用することができます!
ただし、タイのインボイスと特定原産地証明書の紐づけが必要になります。
日本商工会議所の特定原産地証明書発給システムで、特定原産地証明書を発給申請する時に、タイのインボイス番号等を入力し、紐づけてあげます。
また、場合によっては特定原産地証明書の発給時点ではタイのインボイスが入手できない場合もあると思います。その時は日本の輸出者がタイに発行したインボイスと紐づけてあげます。
協定によっては、第3国のインボイスが不明な場合は、第三国の輸出者名と住所を記載すれば、日本が第3国に発行したインボイス番号は不要など、各協定によってルールが異なっています。
協定毎に見ていきましょう!
三国間貿易における特定原産地証明書記載事項
特定原産地証明書の発給申請の時に、特定原産地証明書発給システムにて必要事項を入力し、第三国で発行されたインボイス等と紐づけをします。
協定により、ルールが異なりますので気を付けましょう!
日メキシコ協定、日マレーシア協定、日フィリピン協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付、輸出者の英文名称、所在地を入力する。
入力不要
日チリ協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付、輸出者の英文名称、所在地を入力する。
第三国の輸出者の英文名称、所在地を入力する。
日タイ協定、日インドネシア協定、日ブルネイ協定、日ベトナム協定、日インド協定、日ペルー定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付、輸出者の英文名称、所在地を入力する。
@日本の輸出者発行のインボイス番号、および日付を入力する。
A第三国の輸出者の英文名称、所在地を入力する。
日アセアン協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付、輸出者の英文名称、所在地を入力する。
@日本の輸出者発行のインボイス番号、および日付を入力する。
A第三国の輸出者の英文名称、所在地を入力する。
B第三国インボイス番号が不明な場合欄にチェックを付ける。
日スイス協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付をする。
インボイス番号・日付は空欄とする。(日本発のインボイス番号・日付は入力不要)
日オーストラリア協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付をする。(ただし、B/L(AWB)の番号および日付など積送される貨物を確認するために十分な他の詳細な情報の記載でも可)。
日本の輸出者または生産者発行のインボイス番号、および日付、もしくはB/L(AWB)の番号、よび日付など積送される貨物を確認するために十分な他の詳細な情報を入力する。
日モンゴル協定の場合
第三国の輸出者発行のインボイス番号、日付をする
日本の輸出者発行のインボイス番号・日付を入力する。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください!