RCEPおける僅少の非原産材料について
関税分類変更基準を利用し原産性を証明する場合、HSコードが変化せずに基準を満たさないケースは無いでしょうか?
このような場合、RCEPにおいても、他の経済連携協定同様に関税分類変更基準を満たさない非原産材料があったとしても、その使用がわずかな場合、RCEP締結国の原産品として認める救済規定があります。
では、わずかな場合とは具体的にどのような場合か見ていきましょう!
以下に当てはまる場合、その使用がわずかとしてRCEP締結国の原産品として認められます。
第1項〜第97項・・・非原産材料の価格が、当該産品のFOB価格の10%以下の場合
第50項〜第63類・・・非原産材料の総重量が、当該産品の総重量の10%以下の場合
※第50項〜第63類の僅少の非原産材料は、価格と重量のいずれかを選択することが可能です。
具体的な事例で見ていきましょう!
非原産材料のりんご(第08.08項)、砂糖(第17.01項)、りんごジュース(第20.09項)を使用し、りんごジャム(第2007.99号)を製造するとします。
りんごジャム(第2007.99号)の品目別規則は、CC(類の変更)です。
即ち品目別規則を満たすためには、HSコード2桁の変更が必要になります。
では見ていきましょう!
りんごは8類から、20類のりんごジャムに変化したので品目別規則を満たし原産品として認められます。
A砂糖も17類から、20類のりんごジャムに変化したので品目別規則を満たし原産品として認められます。
リンゴジュースは20類であることから、類(2桁)変更を満たさないが、りんごジュースの価格が、りんごジャムのFOB価格の10%以下であることから、僅少の適用が可能となり、原産品として認められます。
このように関税分類変更基準を満たさない非原産材料があったとしても、あきらめないで下さい。その材料がごく僅かであれば、原産品として救済される可能性があります!
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